日浦の川施餓鬼―江崎主宰「盆の川」句群とともに― (俳誌「櫟」)

*「櫟」29-8、2021.8.1、pp.38-39。 *「櫟」の江崎紀和子主宰が「俳壇」2019年8月に発表した「盆の川」の句群を軸に、句の舞台となった奥道後の日浦地区に伝わる川施餓鬼の由来や伝承などをまとめつつ江崎主宰の句の魅力などを伝えた。 日浦の川施餓鬼は大…

波止浜の石蕗の花  (俳誌「円座」)

*「円座」63、2021.8.1、pp.40-41。 *愛媛県の波止浜に昭和20年に疎開した俳人の今井つる女について述べた。つる女は夫が波止浜出身の今井五郎であり、その縁で昭和20年に東京から疎開し、10年間、今井五郎の実家で暮らしている。つる女が波止浜で過ごした…

城川町の実盛送り (俳誌「櫟」)

*「櫟」29-7、2021.7.1、pp. 38-39。 *「櫟」の江崎紀和子主宰が「俳壇」2019年7月号に発表した「虫送り」の句群を軸に、句の舞台となった西予市城川町の魚成地区の虫送りである「実盛送り」と御霊信仰についてまとめつつ、江崎主宰の句群の魅力などを綴っ…

概観2020年 俳句  (「文藝年鑑」)

*「文藝年鑑2021」、2021.6.30、pp.25-27。 *2020年に顕著だった俳句動向を中心にしながら、句集や研究双方の著作を紹介した。

笛と空、湯豆腐のうすあかり 図らずも滲み出た自画像句  (総合誌「俳壇」)

*「俳壇」38-6、2021.6.1、pp. 46-49。 *特集「自画像としての俳句」巻頭総論。明確に意識した自画像としての句よりも、図らずも作者の佇まいが滲み出た句の例として、西東三鬼や杉田久女、松本たかし、久保田万太郎の句などを取り上げつつ、作品から浮か…

井口時男著『金子兜太』書評  (「図書新聞」)

*「図書新聞」3495号、2020.5.8、6面。 *井口時男著『金子兜太 俳句を生きた表現者』(藤原書店、2020)の書評。

認識を更新する営為 小林秀雄『近代絵画』を例に  (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」297、2021.4.1、pp.58-59。 *特集「俳句評論って難しい?」の寄稿。評論のありようを示す例として小林秀雄『近代絵画』のセザンヌのくだりを紹介しつつ、それが「写生」の見事な評論として読みうることなどを示した。

私たちの「俳句」観を探る 戦後から令和への俳句史を辿りながら (俳誌「きごさい」)

*「きごさい」13号、2021.3.31、pp.92-100。 *NPO法人「俳句と歳時記 HAIKU+」主催の2020年11月29日の講演録。講演時と異なる資料も追加しながら、戦後から令和期に至る俳句史を論じた。

詩歌散策 俳句 山口誓子  (「文化愛媛」)

*「文化愛媛」84、2021.1.17、65p。 *愛媛ゆかりの俳句を綴るエッセイ。二回目は、旧別子銅山を訪れた山口誓子の「寒けれど吾がのる人車凭あり」を味読した。

台湾を愛した人の句文集 天野健太郎句文集『風景と自由』書評  (「週刊読書人」)

*「週刊読書人」3373号、2021.1.15、6面。 *天野健太郎著『風景と自由』(新泉社)の書評。台湾文学の翻訳者にして俳句を趣味とした天野健太郎(1971-2018)の俳句及び随筆を収めた『風景の自由』において、天野が何を「自由」と感じ、「風景」が彼に何を…

短詩の幸う地  (「愛媛新聞」)

*「愛媛新聞」2020.12.12、12面。 *愛媛新聞主催の短詩型文学賞に関連しての寄稿。愛媛は短詩の幸う地として、正岡子規、高浜虚子、中村草田男、芝不器男ら愛媛ゆかりの俳人や俳句、また東予の伯方島等に長逗留した吉井勇や短歌を紹介しつつ、また現存俳人…

俳壇動向 俳文学界の一年  (「俳句年鑑2021年版」)

*「俳句」別冊「俳句年鑑2021年版」、角川書店、2020.12.7、pp.258-263。 *俳文学界の2019年秋~2020年秋の動向。収穫として、長谷川千尋氏、田部知季氏の学術論文の他、上田千秋氏『花の本聴秋』、伊藤一郎氏『龍之介の芭蕉・龍之介の子規』等を紹介した。

今も響く昭和の名句特集 述志の文業 (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」292、2020.11.1、pp.42-45。 *「今も響く昭和の名句」特集と題し、明治生まれの俳人50人の句群の総論。明治生まれの俳人に濃厚な雰囲気の一つとして、「述志」の気高さと悲壮さがあったことなどを論じた。

神は下五に宿る ―「澤四十句」を通読して― (「澤」)

*「澤」21-8、245、2020.8.1、pp.32-35。 *「澤」二十周年記念号の寄稿。「澤四十句」を例に、「澤調」とされる句調が下五の「声」にあることなどを論じた。

概観2019年 俳句  (「文藝年鑑」)

*「文藝年鑑2020」、2020.7.20、pp.21-23。 *2019年に顕著だった俳句動向を中心にしながら、句集や研究双方の著作を紹介した。

敗北と片言  (「船団」)

*「船団」125、2020.6.1、pp.26-27。 *「船団」終刊号の特集「俳句とはどのような詩か」の寄稿エッセイ。海外の人々と日本人の美的感性が異なる話を前置きとしつつ、敗北の詩と謳った高柳重信や片言性の俳句を手に大衆にまみれると宣伝した坪内稔典氏、そ…

かけ出し俳人のための心得教室 現代俳句の潮流を知ろう (総合誌「俳句αあるふぁ」)

*「俳句αあるふぁ」175、2020.4.14(刊行自体は3月中旬)、pp.186-206。 *特集「かけ出し俳人のための心得教室 現代俳句の潮流を知ろう」の寄稿記事。総論の後、自由律、人間探究派、社会性俳句の各潮流の発生やその意義等を歴史的に踏まえつつ概説した。

『四国遍路の世界』  (ちくま新書)

四国遍路の世界 (ちくま新書)発売日: 2020/04/07メディア: 新書 *愛媛大学四国遍路・世界の巡礼研究センター編『四国遍路の世界』(ちくま新書、2020.12.25)所収「俳句・文学から見る近現代の四国遍路」担当、pp.173-191。 *近現代俳句・文学が四国遍路を…

西池冬扇著『高濱虚子・未来への触手』書評  (「図書新聞」)

*「図書新聞」3427号、2019.12.14、6面。 *西池冬扇著『高濱虚子・未来への触手』(ウェップ、2019)の書評。

俳壇動向 俳文学界の一年  (「俳句年鑑2020年版」)

*「俳句」別冊「俳句年鑑2020年版」、角川書店、2019.12.7、pp.264-269。 *俳文学界の一年の動向を、「連歌俳諧研究」を中心に紹介した。

「斧」9月号を読む  (「斧」)

*「斧」367、2019.12.1、pp.6-9。 *の俳誌「斧」9月号の主宰及び会員等の句評。

旅を詠む33 愛媛・松野町  (「NHK俳句」)

*「NHK俳句」297、2019.11.20、pp.12-18。 *俳句にゆかりある各地を巡る紀行文シリーズで、芝不器男の故郷である愛媛県松野町の文化や眺望、特色等を紀行文風に綴りつつ不器男の句を味読した。旅行は8月初頭に行われたため、夏のエッセイとしてまとめた。

石川九楊『河東碧梧桐』書評  (「日本経済新聞」)

*「日本経済新聞」2019.10.26、読書欄、26面。 *石川九楊氏の『河東碧梧桐』(文藝春秋)書評。

栗林浩句集『うさぎの話』評 穏やかさと誠実さ

*「街」139、2019.10.1、pp.40-41。 *栗林浩氏の第一句集『うさぎの話』の評。

薄暮の黒衣、月見の拳法 戦前満州、台湾俳句のいくつか (総合詩誌「現代詩手帖」)

*「現代詩手帖」62-8、2019.8.1、pp.91-99。 *特集「東アジアのパースペクティヴ モダニズムをめぐって」中の論考。戦前満州に渡った桂樟蹊子、また台湾の「ホトトギス」系結社「ゆうかり」に焦点を当て、戦前東アジアに広がった俳句の問題点や特徴を述べ…

六月の鈴、月夜のバス 平成後期の若手俳人のいくつか (「つくえの部屋」)

*「つくえの部屋」4号、2019.8.1、pp.24-39.。 *川嶋健祐氏の個人俳句誌「つくえの部屋」の若手俳人特集への寄稿。現代詩手帖、日本経済新聞、愛媛新聞、朝日新聞等に寄せた若手俳人関連の論を再収録したもの。

大特集森澄雄 澄雄と兜太 (「俳句界」)

*「俳句界」276、2019.7.1、pp.82-83。 *森澄雄特集で、森澄雄・金子兜太の差異や共通点を綴った。

近代俳句の最高峰  (「しんぶん赤旗」)

*「しんぶん赤旗」2019.5.19、8面。 *『近代俳句の諸相』の俳人協会評論賞受賞を記念してのエッセイ。高野素十や山口誓子、中村草田男、高浜虚子ら近代俳句の最高峰がいかに野蛮かつ強烈な句を詠んだかを綴った。 * * * * * * * *Suject : *

特集「新聞と俳句」総論 (総合誌「俳句αあるふぁ」)

*「俳句αあるふぁ」170、2019.3.14、pp.68-73。 *「新聞と俳句」特集の総論。明治~平成の新聞俳句・俳壇の概説及びその特徴を論じた。

花谷清論 ―虚子的、青玄的な違いを通じて―  (「藍」)

*「藍」533、2019.3.1、pp.4-5。 *「藍」主宰、花谷清氏の特徴を、高濱虚子の「写生」や「青玄」の俳句像と比較しつつ論じた。