2009-01-01から1年間の記事一覧

「祖翁」を称えよ、教導職――明治の俳諧結社・明倫講社と『田中千弥日記』について (「同志社国文学」)

■「同志社国文学」71号、2009.12.20、pp.40-51。 ■現在、近代俳句は正岡子規とその一派に代表され、子規以外の「旧派」はさほど顧みられないが、当時の大多数は「旧派」を信奉する人々であった。本稿は、その一例に秩父地方の神官であった田中千弥の日記を対…

あの頃、俳句は12 一年間の連載を振り返って (俳誌「円虹」)

*「円虹」180号、2009.12.1、pp.12-13。 *往時の「ホトトギス」を繙く連載評論。12回目は連載一年間の振り返りとして、1-11月号で紹介した「ホトトギス」掲載句や文章に触れつつ、往時の「ホトトギス」の雰囲気を綴った。

俳諧いまむかし(三十七) 十二月 普羅 (俳誌「氷室」)

*「氷室」17-12、2009.12.1、pp.32-33。 *俳句に関するエッセイ。36回目は前田普羅について綴った。この後、改稿して『その眼、俳人につき』(邑書林、2013)に収録した。

『戦後詩誌総覧』5巻(和田博文・杉浦静編) (日外アソシエーツ)

戦後詩誌総覧〈5〉感受性のコスモロジー作者: 和田博文,杉浦静出版社/メーカー: 日外アソシエーツ発売日: 2009/11/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る *戦後に刊行された著名詩誌の総目次を、書誌としてまとめたシリーズの第5巻。 ・「詩…

あの頃、俳句は11 「ホトトギス」昭和2年11月号 (俳誌「円虹」)

*「円虹」179号、2009.11.1、pp.12-13。 *往時の「ホトトギス」を繙く連載評論。11回目は昭和2年11月号。同号掲載の水原秋桜子に焦点を当てつつ、「ホトトギス」離反直前の彼のありようを綴った。

俳諧いまむかし(三十六) 十一月 義村 (俳誌「氷室」)

*「氷室」17-11、2009.11.1、pp.28-29。 *俳句に関するエッセイ。36回目は明治期の秩父の農村にいた田中義村という俳人を取り上げ、彼が三森幹雄ら明倫講社と深い関係にあったことなどを綴った。

芭蕉遠忌について―明治二百回忌の場合― (大阪俳文学研究会)

*大阪俳文学研究会10月例会でのシンポジウム(於柿衞文庫)、2009.10.18。 *江戸期から昭和期まで続いた芭蕉遠忌の歴史を、富田志津子氏(五十回忌担当)、石川真弘氏(百回忌担当)及び青木(二百回忌担当)で討論した。 なお、青木担当の内容は論文「芭…

あの頃、俳句は10 「ホトトギス」明治31年10月号 (俳誌「円虹」)

*「円虹」178号、2009.10.1、pp.14-15。 *往時の「ホトトギス」を繙く連載評論。10回目は明治31年10月号。松山から東京に移った際の「ホトトギス」に焦点を当て、特に正岡子規が同誌に賭けた存念などを綴った。

斎藤松洲の「俳諧絵葉書」   (研究会紀要「俳文学研究」)

■「俳文学研究」52号、2009.10.1、pp.3-4。 ■明治〜昭和期に活躍した日本画家、斎藤松洲は絵葉書を多く手がけ、特に俳句をあしらった絵葉書が多い。本稿では尾崎紅葉の句を用いた松洲の絵葉書を対象に、季語を有する俳句と絵葉書に記された時候の挨拶には密…

俳諧いまむかし(三十五) 十月 風生 (俳誌「氷室」)

*「氷室」17-10、2009.10.1、pp.32-33。 *俳句に関するエッセイ。35回目は敗戦直後の富安風生の身の処し方について綴った。

風生、万籟を絶つ (総合俳誌「俳句研究」)

*「俳句研究」76-4、2009.9.13、pp.110-114。 *富安風生は昭和期「ホトトギス」を代表する俳人の一人であるが、山口誓子や中村草田男等と比較するとさほど注目されていない。しかし、彼は仕事と句作を見事に両立させた俳人として魅力があり、また退職後の…

あの頃、俳句は09「ホトトギス」昭和3年9月号 (俳誌「円虹」)

*「円虹」177号、2009.9.1、pp.12-13。 *往時の「ホトトギス」を繙く連載評論。9回目は昭和3年9月号。同号掲載の高浜虚子「時雨をたづねて」を通じ、彼の京都への存念や回想等を綴った。

研究動向 現代俳句 (学術誌「昭和文学研究」)

■「昭和文学研究」59号、2009.9.1、pp.80-83。 ■現在、現代俳句研究はどの程度進行しているかを、資料整備や問題点等を中心に概括した。その中で、小説等に比べ俳句研究は実作者が携わることが多いため、客観的な分析や資料収集の方法に問題点が多いこと、ま…

俳諧いまむかし(三十四) 九月 「ホトトギス」 (俳誌「氷室」)

*「氷室」17-9、2009.9.1、pp.32-33。 *俳句に関するエッセイ。34回目は「ホトトギス」昭和初期の雑詠欄がいかに凄いかについて綴った。

観光地と俳句   (「エハカキ」)

*「エハカキ」vol.29、2009.8.15、pp.11。 *京都嵐山の写真に福田把栗(子規派)の俳句をあしらった絵葉書を例に、観光地の絵葉書には俳句が添えられることが多いこと、またその特徴と意義とを考察した。

俳句における写生とは (俳人協会関西支部、夏季講座)

*俳人協会関西支部主催・第二八回関西夏季俳句指導講座(於エルおおさか)での講演。 *正岡子規の「写生」は、学校教育等で「事物のありのままを詠む」と紹介されることが多いが、そこには明治時代の流行思想や日本の韻文の伝統が大きく影響していたことを…

あの頃、俳句は08 「ホトトギス」昭和17年8月号 (俳誌「円虹」)

*「円虹」176号、2009.8.1、pp.12-13。 *往時の「ホトトギス」を繙く連載評論。8回目は昭和17年8月号。同号掲載の高浜虚子の新作能「時宗」等に焦点を当てつつ、太平洋戦争下の高浜虚子の動向を述べた。

俳諧いまむかし(三十三) 八月 幹雄 (俳誌「氷室」)

*「氷室」17-8、2009.8.1、pp.40-41。 *俳句に関するエッセイ。33回目は明治の俳諧宗匠、三森幹雄の俳諧観について綴った。

あの頃、俳句は07 「ホトトギス」昭和7年7月号 (俳誌「円虹」)

*「円虹」175号、2009.7.1、pp.12-13。 *往時の「ホトトギス」を繙く連載評論。7回目は昭和7年7月号。当時の雑詠欄の凄さを、四Sや杉田久女、松本たかしら入選句を紹介しつつ述べた。

俳諧いまむかし(三十二) 七月 紫鳥 (俳誌「氷室」)

*「氷室」17-7、2009.7.1、pp.40-41。 *俳句に関するエッセイ。32回目は、大正期の「ホトトギス」で活躍した原月舟の写生論を参照しつつ、月舟が称賛した紫城という俳人の句を鑑賞した。

『戦後詩誌総覧』4巻(和田博文・杉浦静編) (日外アソシエーツ)

戦後詩誌総覧〈4〉第二次世界大戦後の“実存”と“思想”作者: 和田博文,杉浦静出版社/メーカー: 日外アソシエーツ発売日: 2009/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る *戦後に刊行された著名詩誌の総目次をまとめた書誌シリーズの第4巻。 「母…

『スポーツする文学』(疋田雅昭・日高佳紀・日比嘉高編、青弓社)

スポーツする文学―1920‐30年代の文化詩学作者: 疋田雅昭,日比嘉高,日高佳紀出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2009/06/01メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (3件) を見る ■掲載論文:「スケートリンクの沃度丁幾」(18-50p) ■本論対象は1932…

俳誌という遺産―昭和新興俳句に関して― (柿衞忌記念講演)

*柿衞忌記念講演、2009.6.7、伊丹市柿衞文庫。 *俳誌「土上」は、昭和期新興俳句運動で重要な役割を果たした雑誌だが、現在では実物確認が難しい雑誌になってしまった。そのため、「土上」の実際の誌面内容を紹介しつつ、またその魅力を一般の方々に講演し…

あの頃、俳句は06 「ホトトギス」大正13年6月号 (俳誌「円虹」)

*「円虹」174号、2009.6.1、pp.12-13。 *往時の「ホトトギス」を繙く連載評論。6回目は大正13年6月号。当

俳諧いまむかし(三十一) 六月 石鼎 (俳誌「氷室」)

*「氷室」17-6、2009.6.1、pp.30-31。 *俳句に関するエッセイ。31回目は昭和期の原石鼎の凄さについて綴った。

あの頃、俳句は05 「ホトトギス」大正12年5月号 (俳誌「円虹」)

*「円虹」173号、2009.5.1、pp.12-13。 *往時の「ホトトギス」を繙く連載評論。5回目は大正12年5月号。

俳諧いまむかし(三十) 五月 誓子 (俳誌「氷室」)

*「氷室」17-5、2009.5.1、pp.38-39。 *俳句に関するエッセイ。30回目は山口誓子と実際に会う機会の多かった「天狼」出身の俳人の回想に触れつつ、誓子俳句について綴った。

『戦後詩のポエティクス 1935-1959』 (和田博文編、世界思想社)

戦後詩のポエティクス1935~1959 (世界思想ゼミナール) (SEKAISHISO SEMINAR)作者: 和田博文出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2009/04/07メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る ■先行研究の少ない戦後詩をキー…

あの頃、俳句は04 「ホトトギス」昭和9年4月号 (俳誌「円虹」)

*「円虹」172号、2009.4.1、pp.12-13。 *往時の「ホトトギス」を繙く連載評論。4回目は昭和9年4月号。当時の雑詠欄の凄さを杉田久女等を例に、また選者の虚子が「句日記」でいかなる句を詠んでいたかを述べた。

俳諧いまむかし(二十九) 四月 窓秋 (俳誌「氷室」)

*「氷室」17-4、2009.4.1、pp.36-37。 *俳句に関するエッセイ。29回目は高屋窓秋の「ちるさくら海あをければ海へちる」等の句と、ジブリアニメ『火垂るの墓』後半に流れるシャンソンに通底する追悼の雰囲気を綴った。