俳句という詩型の蘇生  (総合誌「ウエップ俳句通信」)

*「ウエップ俳句通信」139号、2024.4.14、pp.48-49。 *筑紫磐井氏『戦後俳句史nouveau 1945-2023』の書評。氏が戦後俳句史の構築を通じ、俳句文芸の可能性を蘇生させようとしたことなどを論じた。

『長谷川櫂自選五〇〇句』  (朔出版)

長谷川櫂 自選五〇〇句作者:長谷川 櫂朔出版Amazon *『長谷川櫂自選五〇〇句』(朔出版、2024.4.10)の解説「黒い獣と花」、pp.182-201。 *俳人の長谷川櫂氏による自選五〇〇句集に付した解説。氏の50年に及ぶ句業の一端を概観しつつ、氏の特質を「黒い獣…

連句の付句のような巧さ 高濱虚子の慶弔句を読む (総合誌「俳壇」)

*「俳壇」41-4、2024.4.1、pp.56-57 。 *「前書と俳句」特集のエッセイ。前書付の俳句の名手として、高濱虚子の慶弔句の絶妙さを論じた。

金曜名作館 高濱虚子  (「しんぶん赤旗」)

*「しんぶん赤旗」2024.2.23、14面。 *高濱虚子の生誕150周年に合わせ、虚子の生涯とともに彼の俳句観や作品のありようを論じた。

通説や先入観をいかに揺るがすか (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」331、2024.2.1、pp.40-43 。 *特集「俳句評論ノススメ」の寄稿。評論を成立させるのは何より論者の認識であり、それを問い直し、刷新するためにも一次資料に丹念にあたることが評論の強みにつながることなどを論じた。

詩歌散策 俳句 高畠亀太郎  (「文化愛媛」)

*「文化愛媛」87、2023.1.17、19p。 *愛媛ゆかりの俳句を綴るエッセイ。四回目は、高畠亀太郎が弟の高畠華宵没後に詠んだ句を紹介した。

俳壇動向 俳文学界の一年  (「俳句年鑑2024年版」)

*「俳句」別冊「俳句年鑑2024年版」、角川書店、2023.12.8、pp.274-279。 *俳文学界の2022年秋~2023年秋の動向。「志を宿した研究成果」と題し、深沢真二氏『芭蕉の遊び』、大関博美氏『極限状況を刻む俳句』、川名大氏『昭和俳句史』等を紹介した。

詩人の志と永遠 (総合誌「俳壇」)

*「俳壇」40-12、2023.12.1、pp.46-49 。 *「述志の俳句」特集の巻頭エッセイ。保田与重郎の「永遠」や「詩人」を参照しながら、近代俳句における「述志」としての表現の風姿を綴った。

伸びやかに現世を慈しむ 長谷川櫂句集『太陽の門』評  (青磁社通信)

*「青磁社通信」32、2023.8.1、6p 。 *長谷川櫂氏の句集『太陽の門』の評。

鬼房の秀句を読む(155) 然るべき荒野はなきかわが端午  (結社誌「小熊座」)

*「小熊座」39-7、2023.7.1、6p。 *高野ムツオ主宰「小熊座」による師匠の佐藤鬼房の鑑賞頁。「然るべき荒野はなきかわが端午」を鑑賞した。

むきだしの眼、偶然のギター 小林秀雄『近代絵画』と高浜虚子の「写生」について  (総合誌「俳句」)

*「俳句」72巻5号、2023.4.25、pp.162-165 。 *小林秀雄『近代絵画』のセザンヌ論やゴッホ論を参照しながら、高浜虚子並びに「ホトトギス」の「写生」の機微を論じた。

「人間」としてのまなざし 敗戦後の波郷の激しさ (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」320、2023.3.1、pp.44-47。 *石田波郷の生誕110周年記念特集の論考。波郷が敗戦後に上梓した句集『惜命』に着目し、「庶民」としての彼が「人間」として激しく生に縋ろうとしたありようを同時代俳人の評や寸評とともに綴った。

詩歌散策 俳句 酒井黙禅  (「文化愛媛」)

*「文化愛媛」86、2023.1.17、19p。 *愛媛ゆかりの俳句を綴るエッセイ。四回目は、別子の東平街道と呼ばれた道筋の入口にあたる遠登志に建立された酒井黙禅の句「」について鑑賞した。

個人的な実感、評論のありよう  (総合誌「ウエップ俳句通信」)

*「ウエップ俳句通信」131号、2022.12.14、pp.144-145。 *西池冬扇氏『明日への触手』の論展開を通じて、「評論」のありようを論じた。

俳壇動向 俳文学界の一年  (「俳句年鑑2023年版」)

*「俳句」別冊「俳句年鑑2023年版」、角川書店、2022.12.7、pp.272-277。 *俳文学界の2021年秋~2022年秋の動向。金田房子氏『芭蕉の詩趣』、金子はな氏『惟然・支考の「軽み」』、荒川英之氏『沢木欣一』等を紹介した。

「いのちのおばけ」の闇と悲願  (俳誌「杉」)

*「杉」53-5、2022.9.1、pp.44-47 。 *森澄雄の俳句のありようを、保田与重郎の文学観を参考に論じた。「杉」は森澄雄が創刊し、現在は子息の森潮氏が主宰を務める。

概観2021年 俳句  (「文藝年鑑」)

*「文藝年鑑2022」、2022.6.30、pp.25-27。 *2021年に顕著だった俳句動向を中心にしながら、作品や句集等を紹介した。

居酒屋の秋鯖、公園の句帳 (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」310、2022.5.1、pp.34-37 。 *特集「俳人と仕事」の巻頭評論。草間時彦、山口誓子、中村草田男、高野素十、与謝蕪村、高浜虚子などの逸話を紹介しながら、俳人と仕事の関係について綴った。

香園寺の種田山頭火 (月刊「へんろ」)

*「へんろ」457号、2021.4.1、5p。 *愛媛県の第●番札所の香園寺に一時住んでいた木村無相、河村みゆき等は「層雲」の種田山頭火の自由律に惹かれており、その山頭火が遍路巡りで香園寺を訪れた時の逸話や経緯等を綴った。

『日本文学の見取り図』 (ミネルヴァ書房)

日本文学の見取り図:宮崎駿から古事記まで (シリーズ・世界の文学をひらく 5)ミネルヴァ書房Amazon *『日本文学の見取り図』(ミネルヴァ書房、2022.2.25)の第Ⅱ部「日本文学史を彩る名作・作家たち」所収の「正岡子規」担当、pp.174-175。 *各国文学の古…

俳句コンクール 皆様の応募俳句を読んで  (「デュッセルドルフ日本人会報」)

*「デュッセルドルフ日本人会報」170号、2022.2.15、8p 。 *ドイツのデュッセルドルフ日本人会の会報に寄稿。会員の皆様が詠んだ俳句の寸評を綴った。

詩歌散策 俳句 水原秋桜子  (「文化愛媛」)

*「文化愛媛」85、2022.1.17、19p。 *愛媛ゆかりの俳句を綴るエッセイ。三回目は、大三島の大山祇神社や宝物館を訪れた水原秋桜子の「紫陽花や鎧の袖は裾濃にて」を味読した。

「只言」と「写生」の間 三森幹雄の俳諧観から正岡子規派の句を見る  (「子規博だより」)

*子規記念博物館発行「子規博だより」40-2、2021.12.25、pp.11-14。 *2021年8月に子規記念博物館開催の展覧会に合わせた記念講演が中止になったため、講演予定だった内容の活字化。明治期に大きな勢力を有した俳諧宗匠、三森幹雄の俳諧観から正岡子規及び…

俳句をどのように詠めばよいか  (「デュッセルドルフ日本人会報」)

*「デュッセルドルフ日本人会報」169号、2021.12.15、8p 。 *ドイツのデュッセルドルフ日本人会の会報に寄稿。俳句は季語と五七五で成り立つ詩だが、そもそも「俳句」をいかに見なし、どのように詠めばよい詩なのかといったことを綴った。

俳壇動向 俳文学界の一年  (「俳句年鑑2022年版」)

*「俳句」別冊「俳句年鑑2022年版」、角川書店、2021.12.7、pp.260-265。 *俳文学界の2020年秋~2021年秋の動向。収穫として、金田房子・玉城司氏編『鳳朗と一茶、その時代 近世後期俳諧と地域文化』や川名大氏『戦争と俳句』等を紹介した。

不易としての「俳」を示した俳論  (総合誌「俳句」)

*「俳句」70-12、2021.11.25、pp.132-135。 *芭蕉の俳諧像を鮮やかに抉った上野洋三氏『芭蕉論』のエッセンスとその凄味を綴った。

郡中の医者、中山の蛍  (俳誌「円座」)

*「円座」64、2021.10.1、pp.46-47。 *愛媛県の伊予市にまつわる伝説(五色姫、山吹御前)や土地の特色、また司馬遼太郎『花神』の主人公である村田蔵六が伊予市郡中の医者と懇意になる場面等を紹介しつつ、中山の源氏蛍を詠んだ稲荷島人の句を紹介して終…

愛媛の椿堂と曼珠沙華 (月刊「へんろ」)

*「へんろ」451号、2021.10.1、4p。 *愛媛の四国別格二十霊場の一つ、四国中央市の常福寺は通称椿堂と言われている。弘法大師が地面に挿した杖が椿になったとされ、戦後に住職だった石川椿は俳句趣味があった。戦後、「ホトトギス」の俳人である深川正一郎…

身分と「人間」の狭間で 百二十年前に生まれた四俳人 (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」302、2021.9.1、pp.44-47。 *明治34(1901)年生まれの日野草城、中村草田男、山口誓子、秋元不死男の四俳人特集の総論。彼らの生まれ育った時代の文化思潮や出自等が後の彼らの俳句人生に大きな影響を与えたことなどをまとめ、20世紀初頭の日…

日浦の川施餓鬼―江崎主宰「盆の川」句群とともに― (俳誌「櫟」)

*「櫟」29-8、2021.8.1、pp.38-39。 *「櫟」の江崎紀和子主宰が「俳壇」2019年8月に発表した「盆の川」の句群を軸に、句の舞台となった奥道後の日浦地区に伝わる川施餓鬼の由来や伝承などをまとめつつ江崎主宰の句の魅力などを伝えた。 日浦の川施餓鬼は大…