2015-01-01から1年間の記事一覧

現代俳句時評1 暮らしと俳句  (総合俳誌「俳句」)

■「俳句」65-2、2015.12.25、pp.160-163。 ■時評連載。天才や傑作のみが「俳句史」ではなく、むしろ市井に生きる無名の人々の句群の方が「俳句史」を彩り、支えていることを指摘しつつ、明治期の宗匠らの句とともに平成年間の無名俳人の句集を複数紹介した。

現代俳句の挑戦者たち  (総合俳誌「俳句界」)

*「俳句界」233,21-12,2015.12.1,pp.66-67。 *俳人協会の2014年度評論新人賞及び新鋭評論賞のダブル受賞を受けての、Q&A形式のインタビュー記事。

俳句時評「俳句遺産24 俳句年鑑2015 趣味や、死後の階段」  (「現代詩手帖」)

■「現代詩手帖」58-12、2015.12.1、pp.94-99。 ■2015年の俳句界を総括した評論。一年間の著名受賞句集や作品を列挙しつつ概括することで、総合俳誌の誌面構成や俳句賞選考等は、もっぱら俳句を「趣味」に嗜む読者層を楽しませる俳句観に彩られていることを指…

刻まれた句、漂う夢 俳誌の光芒19 「ホトトギス」昭和8年10月号  (俳誌「円座」29号)

■「円座」29号、2015.12.1、pp.30-34。 ■保田輿重郎の文化観を引き合いにしつつ、例えば「ホトトギス」や高浜虚子を近代俳句の象徴として知ることと、「ホトトギス」雑詠欄の作品を実際に読み、一句ごとに立ち止まったり、考えたりすることは全く別の営為で…

会話形式でわかる近代俳句史超入門18高浜虚子14 (俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」217、2015.12.1、pp.36-37。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。18回目は高浜虚子のまとめとして、彼の特徴を語り合った。

王者の句集 虚子『五百句』評   (俳誌「秋草」)

■俳誌「秋草」(山口昭男主宰)6-12、2015.12.1、pp.6-7。 ■高浜虚子『五百句』は、あくまで「ホトトギス」五百号記念という位置付けで、また昭和期の句群は「句日記」のように年月日と句会が付されており、水原秋桜子や高屋窓秋といった新興俳句の句集とお…

中国漢詩文が日本近代文学に与えた影響について (中国遼寧師範大学国際学院 )

■中国大連市遼寧師範大学、13:00-13:30。 ■中国の陶磁器や漢詩文、また煎茶や山水画等の文人文化がいかに西欧や日本に影響を与えたかの一例として、西欧のシノワズリや日本の夏目漱石、芥川龍之介等の諸作品を紹介しつつ、また大連で生まれ育った日本人の清…

俳句時評「俳句遺産23 『冬野虹作品集成』 純粋な表現意欲」  (「現代詩手帖」)

■「現代詩手帖」2015.11.1、p。 ■冬野虹(1943-2002)没後に四ッ谷龍が編纂した『冬野虹作品集成』所収の俳句作品を紹介。諸芸術への強い関心を持ち続けた冬野を、白石かずこや鴨居羊子等の戦後女性の一人として位置付けつつ、純粋な表現意欲が透明感を伴っ…

俳句甲子園審査員、コメント  (「俳句甲子園」4号)

■「俳句甲子園」4号、第18回俳句甲子園公式作品集、2015.11.1、64p、69p。 ■2015年の俳句甲子園審査のコメント。決勝トーナメント一回戦E×Fブロックの名古屋高等学校×松山東高校(64p)、及び決勝トーナメント二回戦EF×GHブロックの名古屋高校×立教池袋高校…

会話形式でわかる近代俳句史超入門17高浜虚子13 (俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」216、2015.11.1、pp.36-37。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。17回目は高浜虚子の「選は創作」という言葉を通じ、彼の選句のありようを語り合った。

座談会2 田島健一からの質問状「あなたの俳句にとっての「仕事」とは何ですか」  (俳誌「オルガン」3号)

■「オルガン」3号、2015.11.1、pp.36-55 。 ■俳句同人誌「オルガン」での生駒大祐、田島健一、鴇田智哉、宮本佳世乃、青木による座談会。「田島健一からの質問状」として、仕事=生業と俳句に関わる各人の感覚を語り合った。

俳句と、周りの景色10 この世の笑い  (俳誌「白茅」10号)

■「白茅」秋号、2015.10.31、pp.16-18。 ■天久聖一編『書き出し小説』のシュールな一行小説を引き合いにしつつ、島津亮や阿部完市、また永田耕衣の前衛俳句に漂うのはこの世の理不尽さに対する「笑い」の感覚であった、といったことを述べた。

批評家たちの「写生」(十五) 小林秀雄(その七)   (俳誌「翔臨」84号)

*「翔臨」84号、2015.10.31、pp.24-25。 *文芸批評家の論から「写生」を捉え直す連載評論。小林秀雄『近代絵画』のドガ論を参照しつつ、高浜虚子と高野素十の「写生」句の強靱さを述べた。

四国遍路の近現代史  (「愛媛新聞」)

■「愛媛新聞」、2015.10.25。 ■10月18日に開催された四国遍路・世界の巡礼研究センター(愛媛大学)の取材記事。

文学や漫画から見る近現代の遍路 (愛媛大学法文学部附属四国遍路、世界の巡礼研究センター )

■愛媛大学法文学部棟大会議室、13:00-14:00。 ■近現代における四国遍路の表象のあり方を高群逸枝、種田山頭火ら著名作家の作品の他、無名俳人の句、戦前や戦後マンガ家のイラスト等も紹介しつつ述べた。

病臥の正岡子規と日常の「写生」について 病人の自己救済について考える  (日本看護技術学会)

*ひめぎんホール、13:30-14:10。 *日本看護技術学会第14回学術集会の特別講演。病臥の正岡子規が迫りつつある死を前に、いかに自らが生きている瞬間を味わい、楽しもうとしたかを随筆や逸話、絵等を紹介することで、病人が自己救済を図る際の一例を現職の…

誓子の「自尊」とユーモア  (俳誌「ぽち袋」)

■「ぽち袋」4号、2015.10.15、pp.2-5。 ■山口誓子の「俳句」のあり方には図らずも滲み出るユーモアが感じられるが、従来の誓子評ではほぼ稀薄だったことを柿衞文庫での宇多喜代子氏との対談とともに触れつつ、むしろそれが誓子句の本質であろうことを安井浩…

蕉門俳諧と近代俳句の関係  (大阪天満宮、連句会「鷽の会」)

■大阪天満宮、13:00-14:00。 ■天満宮の講の一つ、連句会「鷽の会」奉納俳諧での講演。江戸期の蕉門歌仙と近代俳句史の作品の共通点と異質点とをいくつかのテーマに沿いつつ述べた。

東・中・南予ゆかりの近現代文学について  (愛媛県生涯学習センター、放送県民大学)

*愛媛大学南加ホール、18:00-21:00。 *生涯学習センター主催の放送県民大学「文学講座」の第一回目。愛媛県は東予、中予、南予地方に大別されており、各地域に数多くの近現代文学や文化等が関わっていることを述べた。小説家の芥川龍之介や漫画家のつげ義…

俳句時評「俳句遺産22 曾根毅『花修』 詩情と俳句」  (「現代詩手帖」)

■「現代詩手帖」2015.10.1、21p。 ■曾根毅(1974-)の第一句集『花修』の紹介。戦前の新興俳句や戦後の前衛俳句等の系譜を受け継ぐ作家であることと、それのみではない作品があることなどを紹介した。下記は引用句群。 この国や鬱のかたちの耳飾り 悪霊と皿…

会話形式でわかる近代俳句史超入門16高浜虚子12 (俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」215、2015.10.1、pp.36-37。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。16回目は高浜虚子の凄さを、「ホトトギス」雑詠欄の選句を通じて語り合った。

刻まれた句、漂う夢 俳誌の光芒18 「俳句研究」昭和52年3月号  (俳誌「円座」28号)

■「円座」28号、2015.10.1、pp.32-36。 ■波多野爽波や竹中宏の「写生」観と後藤夜半の「偶然の必然」には通底するものがあるとした上で、「俳句研究」昭和52年3月号の後藤夜半追悼特集で「偶然の必然」を論じた清崎敏郎よりも、たまたま同号に句群を発表した…

南予と近現代文学の深い関係  (宇和島歴史文学講座)

■宇和島生涯学習センター三階講義室、13:00-14:30。 ■愛媛新聞主催の宇和島歴史文学講座の第二回目。宇和島を中心に、南予地方と近現代文学・文化のつながりの深さを述べた。具体的には明治の讃美歌や芥川龍之介、近代俳誌に月々掲載された宇和島在住の無名…

会話形式でわかる近代俳句史超入門15高浜虚子11 (俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」214、2015.9.1、pp.36-37。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。15回目は高浜虚子の句の凄さを、作品や人生等から語り合った。

俳句時評「俳句遺産21 鴇田智哉『凧と円柱』 現存最強の文体」  (「現代詩手帖」)

*「現代詩手帖」2015.9.1、p.119。 *鴇田智哉(1969〜)の第二句集『凧と円柱』の紹介。鴇田氏の俳句作品は内容よりも文体そのものが認識であり、他に真似の出来ない個性たりえている稀有な俳人であり、その文体は強い影響力を及ぼす類であることを述べた…

愛媛ゆかりの近現代文学について  (愛媛県教育委員会)

■愛媛大学教育学部二号館四〇三教室、13:30-15:30。 ■愛媛と近現代文学の意外な関係について、愛媛新聞に連載したエッセイ「四季録」(2013-2014)を参照しつつ、愛媛県下の小中学校教員の方々にお話した。

言葉につまづくこと 定番教材や俳句を例に  (兵庫県小学校教育研究会国語部会)

■兵庫県立文化体育館、10:10-11:10。 ■第58回兵庫県小学校教育研究会国語部会での講演。小学校教材の定番「大造じいさんとガン」や水原秋桜子の俳句「日焼け顔見合ひてうまし氷水」を例にしながら、文学作品を解釈する際にいかに目の前の「言葉」につまずき…

ことばの花束  (エフエムいたみ)

■エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2015.8.3-7、AM9:50-10:00、14:50-15:00。 ■ラジオ放送。各回ごとのテーマに沿ってさまざまな「ことば」を紹介。詳細は、「水着」の句(8/3、月)、内藤丈草と水原秋桜子の句(8/4、火)、岸上大作と寺山修司の「…

「俳句」のありか  (庚申庵倶楽部、地域文化講座)

■松山市庚申庵2階、13:30-15:00。 ■近現代俳句における「俳句」のあり方を、特に「写生」句に注目しつつ述べた。具体的には阿波野青畝、高野素十、高浜虚子等の俳句を分析した。

会話形式でわかる近代俳句史超入門14高浜虚子10 (俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」213、2015.8.1、pp.36-37。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。14回目は高浜虚子の逸話を通じて彼の特徴を語り合った。