2015-01-01から1年間の記事一覧

俳句時評「俳句遺産20 中村遙『海岳』 無明の眼差し」  (「現代詩手帖」)

■「現代詩手帖」58-8,2015.8.1、p.119。 ■中村遙(「斧」所属)の第一句集『海岳』の紹介。「写生」を信条とする中村氏の句業がいかに「写生」の力強さを湛えているかを指摘しつつ紹介した。下記は引用句群。 墓石を切り出す山のさくらかな 秋の蜂踏みつぶし…

俳句と、周りの景色9 沈黙  (俳誌「白茅」9号)

■「白茅」2015.7.31、pp.19-21。 ■昭和戦後期の石原吉郎と平成期の最果タヒの詩を参照しつつ、言外の「沈黙」の深さの差異を考えた後、昭和二十年代の富澤赤黄男の句にも「沈黙」が取り巻いていたことを述べた。

夏季子規塾  新俳句工房、拝見  (子規記念博物館)

*子規記念博物館1階視聴覚室、14:00-15:30。 *正岡子規一派の作品のどの点が新しかったのかを、発表当時の明治期の俳句感覚に照らしながら作品分析を行った。具体的には内藤鳴雪、夏目漱石、高浜虚子らの俳句の独特さを論じた。

日本文学における「さくら」と「そら」  (松山中央高校)

■松山中央高校205教室、13:40-15:00。 ■2年生を対象とした大学模擬授業。大学での文学研究の幅広さや面白さを伝えるため、日本文学や文化において「さくら」と「そら」がどのように描かれてきたかをアニメやマンガ等も参照しつつ授業を行った。

俳句時評「俳句遺産19 佐藤文香『君に目があり見開かれ』 ポップな「君」」  (「現代詩手帖」)

■「現代詩手帖」58-7,2015.7.1、p.129。 ■佐藤文香(1985-、無所属)の第二句集『君に目があり見開かれ』の紹介。「レンアイ句集」と銘打ち、俳句には珍しい「君」を多用したこの句集は、実際は「君」を感じる「わたし」に意識が集中していること等を指摘し…

会話形式でわかる近代俳句史超入門13高浜虚子9 (俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」212、2015.7.1、pp.36-37。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。13回目は高浜虚子の人生や「写生」について語り合った。

虚子の選 為政者の恐るべき選句眼  (「澤」)

*「澤」16-7、184、2015年7月号、pp.72-75。 *特集「選とは何か」で、高浜虚子「ホトトギス」雑詠欄のあり方を担当。虚子は「ホトトギス」のパトロンや社会的地位の高い人士に充分に配慮するとともに、昭和初期に高野素十の「漂へる手袋のある運河かな」を…

ことばの花束  (エフエムいたみ)

■エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2015.6.29-7.3、AM9:50-10:00、14:50-15:00。 ■ラジオ放送。各回ごとのテーマに沿ってさまざまな「ことば」を紹介。詳細は、「泥鰌鍋」「冷麦」の句(6/29、月)、夏目漱石「彼岸過迄」の一節(6/30、火)、小川洋…

新刊サロン「岸本尚毅『十七音の可能性』」 「俳句」の悦楽を説く  (総合俳誌「俳句」)

*「俳句」64-8、2015.6.25、7月号、213p。 *岸本尚毅氏『十七音の可能性』(NHK出版、2015)の書評。本書はNHKカルチャーラジオ放送(2015年4-6月)をまとめたもので、近代俳句史の流れや史上の傑作の傑作たる所以等が示されている。

俳句甲子園全国大会審査員

*俳句甲子園地方選・松山会場(於大街道商店街)。2015.6.20、9:30-17:00。 *俳句甲子園地方選の松山会場で審査員担当。

ことばの花束  (エフエムいたみ)

■エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2015.6.15-19、AM9:50-10:00、14:50-15:00。 ■ラジオ放送。各回ごとのテーマに沿ってさまざまな「ことば」を紹介。詳細は、様々な現代短歌(6/15-17、月-水)、夏の俳句(6/18-19、木-金)。

「新居浜」の近代俳句と絵葉書について  (新居浜市生涯学習センター)

■新居浜市生涯学習センター、13:30-15:30。 ■新居浜文学講座の一環。愛媛県新居浜市は別子銅山関連で住友と関係が深く、住友社員だった山口誓子や川田順等の著名文学者が多々訪れている。彼ら著名人の作品に加え、新居浜・別子在住の無名俳人たちの俳句作品…

俳句時評「俳句遺産18 『安井浩司俳句評林全集』 巨人の文業  (「現代詩手帖」)

■「現代詩手帖」2015.6.1、p.89。 ■安井浩司の俳句評論をまとめた『安井浩司俳句評林全集』(酒巻英一郎編、沖積舎、2015)の紹介。安井が山口誓子の「まくなぎの丈余の柱曲り立つ」を評した箇所を紹介しつつ、安井がいかに「俳句」に精通した俳人であるかを…

会話形式でわかる近代俳句史超入門12高浜虚子8 (俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」211、2015.6.1、pp.36-37。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。12回目は小説家虚子について語り合った。

刻まれた句、漂う夢 俳誌の光芒17 「鶴」昭和28年4月号  (俳誌「円座」26号)

■「円座」26号、2015.6.1、pp.30-34。 ■石田波郷率いる「鶴」同人、小林康治の評伝。「貧しさも喜びに似て落葉踏む」と詠んだ小林のありようを、敗戦直後の世相や「鶴」の雰囲気も絡めながら論じた。

ことばの花束  (エフエムいたみ)

■エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2015.5.25-29、AM9:50-10:00、14:50-15:00。 ■ラジオ放送。各回ごとのテーマに沿ってさまざまな「ことば」を紹介。詳細は、相良宏の短歌(5/25、月)、自由律俳句と天久聖一『書き出し小説』(5/26-27、火-水)、…

会話形式でわかる近代俳句史超入門11高浜虚子7 (俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」210、2015.5.1、pp.36-37。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。11回目は高浜虚子の明治30-40年代について語り合った。

俳句と、周りの景色8 さくら  (俳誌「白茅」8号)

■「白茅」2015.4.30、pp.18-20。 ■高屋窓秋の「ちるさくら海あをければ海へちる」に流れる冷え冷えした抒情のありようを、古典の伊勢物語や現代詩の新川和江「ふゆのさくら」を参照しつつ述べた。

ことばの花束  (エフエムいたみ)

*エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2015.4.27-5.1、AM9:50-10:00、14:50-15:00。 *ラジオ放送。各回ごとのテーマに沿ってさまざまな「ことば」を紹介。詳細は、今井杏太郎(4/27-28、月-火)、「コップ」の句(4/29、水)、河野祐子の短歌(4/30、…

稀少獣の息吹  山口誓子「七曜」について  (総合俳誌「俳句四季」)

*「俳句四季」32-5,2015.4.20、pp.16-17。 *「いま推奨したい句集」として、山口誓子の第四句集『七曜』を紹介した。誓子は著名俳人だが、『七曜』を通読する機会は少ないため、この句集がいかに「天才」の所業であるかを指摘しつつ論じた。

江戸俳諧と明治俳句、そのいくつか  (庚申庵、地域文学講座)

■松山市庚申庵2階、13:30-15:00。 ■明治期の俳諧宗匠らの作品を例に、江戸俳諧と明治以降の俳句では季節感や価値観が異なることを述べた。

刻まれた句、漂う夢 俳誌の光芒16 「俳句」平成元年3月号  (俳誌「円座」25号)

■「円座」25号、2015.4.1、pp.30-34。 ■平成初期の総合俳誌「俳句」に句作入門記事が増えることを踏まえつつ、岡田日郎、沢木欣一、波多野爽波の鼎談を取り上げ、当時の「俳句」観がいかなる位相だったかを論じた。

俳句時評「俳句遺産16 桂信子文集 「本物」の俳人」  (「現代詩手帖」)

■「現代詩手帖」58-4,2015.4.1、pp.169。 ■宇多喜代子編集の『桂信子文集』の紹介。桂信子に師事した宇多が桂信子文集をまとめることの意義と、桂信子が「本物」という言葉をよく使う俳人だったことなどを紹介した。

会話形式でわかる近代俳句史超入門10高浜虚子6 (俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」209、2015.4.1、pp.38-39。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。10回目は高浜虚子の青年期について語り合った。

第29回俳人協会評論新人賞 受賞のことば (総合俳誌「俳句」)

■「俳句」2015.4.1、179p。 ■俳人協会主催の第29回評論新人賞受賞のことば。

「型」と「芸」と  (総合俳誌「俳句」)

*「俳句」64-5,2015.3.25、241p。 *2010年に急逝した山田弘子(1934-2010、結社「円虹」創刊主宰)の『山田弘子全句集』の書評。

ことばの花束  (エフエムいたみ)

■エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2015.3.30-4.3、AM9:50-10:00、14:50-15:00。 ■ラジオ放送。各回ごとのテーマに沿ってさまざまな「ことば」を紹介。詳細は、「さくら」の句(3/30、月)、「黄砂」の句(3/31、火)、青木亮人『その眼、俳人につき…

受賞のことば  (総合俳誌「俳句」)

*「俳句」64-5,2015.2.25、177p。 *俳人協会評論新人賞を受賞した『その眼、俳人につき』に寄せての短文。

ことばの花束  (エフエムいたみ)

■エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2015.3.23-27、AM9:50-10:00、14:50-15:00。 ■ラジオ放送。各回ごとのテーマに沿ってさまざまな「ことば」を紹介。詳細は、「曲水・針供養」の句(3/23、月)、「亀鳴く」の句(3/24、火)、中村草田男の「乙女」…

はるかな帰郷―田中裕明の詩情について―(8)  (俳誌「静かな場所」14号)

■「静かな場所」14号、2015.3.15、pp.13-14。 ■田中裕明の「詩情」をめぐる連載評論。裕明の「伝統」観を明らかにするため、森澄雄の「近江」観を参照しつつ、両者の「近江」句がどのように異なるかを論じた。