日浦の川施餓鬼―江崎主宰「盆の川」句群とともに― (俳誌「櫟」)

「櫟」29-8、2021.8.1、pp.38-39。
「櫟」の江崎紀和子主宰が「俳壇」2019年8月に発表した「盆の川」の句群を軸に、句の舞台となった奥道後の日浦地区に伝わる川施餓鬼の由来や伝承などをまとめつつ江崎主宰の句の魅力などを伝えた。
 日浦の川施餓鬼は大幟を川に三本立て、施餓鬼を行う行事で、豊臣秀吉の四国征伐時に小早川軍と戦った得能家の戦死した武将を祀るとも、また長宗我部元親軍と河野氏の戦で傷付いた武将が日浦まで落ち延びて息絶えたため、彼らを祀る行事ともされている。一度途絶えたが、数百年続く施餓鬼で、巨大な大幟はかつて数十人が支え、川まで運んだという。