俳句の「読み」を鍛えるには  (総合俳誌「俳句界」)

*「俳句界」272、2019.3.1、pp.54-57。 *特集「「読み」の重さ・深さ」の冒頭論考。俳句の「読み」を鍛えるには、語学学習のように句解の名人の鑑賞を複数読み続け、そもそも何が「俳句」なのかを自問自答し続ける営為であることなどを述べた。

三村純也句集『一』鑑賞 品と暮らし (俳誌「山茶花」)

*「山茶花」74-2、2018.2.10、pp.12-15。 *「山茶花」主宰の三村純也句集『一』の評論。花鳥諷詠の調べと生活を詠む際、どの句にも品が漂う氏の特徴が、上方落語の桂米朝の品の良さにも通じることなどを指摘し、上方流の表現と自己韜晦が暮らしの詠みぶり…

あをぞら (俳誌「オルガン」)

*「オルガン」16、2019.2.7、pp.40-43。 *映画『秒速5センチメートル』や平安王朝の更級日記における春の桜と喪失の風景を綴りつつ、「あをあをと空を残して蝶わかれ 大野林火」で締めくくった。

『新興俳句アンソロジー』(ふらんす堂)

新興俳句アンソロジー: 何が新しかったのか作者: 現代俳句協会青年部出版社/メーカー: ふらんす堂発売日: 2018/12/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る *『新興俳句アンソロジー』(ふらんす堂、2018.12.25)所収「山口誓子」担当、pp.401-408。 …

BOOKS 長谷川櫂『九月』『俳句の誕生』  (総合俳誌「俳句αあるふぁ」)

*「俳句αあるふぁ」167、2018.10.14、228p。 *長谷川櫂氏の新刊句集『九月』及び評論集『俳句の誕生』のセット書評。

特集 私の作句心情 句作の練習と、すがた  (総合俳誌「俳句界」)

■「俳句界」267、2018.10.1、pp.54-58。 ■「私の作句信条」特集の総論。作句を練習することの一例と、先人や憧れの句を探すこと、そこから真似できない何かに気付き、句は意味以上に「すがた」に真似のできないものがあることなどを述べた。

現代に虚子を召喚する 『虚子は戦後俳句をどう読んだか』書評  (「週刊読書人」)

*「週刊読書人」3256号、2018.9.14、5面。 *筑紫磐井編著『虚子は戦後俳句をどう読んだか』の書評。本書は戦後の「玉藻」で虚子と若手による研究会における虚子発言を抜粋した第二部と、実際に参加した深見けん二氏を囲む座談会の第一部等で構成。第二部の…

鬼房の秀句を読む(97) 混沌と生き痩畑を耕せり  (結社俳誌「小熊座」)

*「小熊座」34-9、2018.9.1、5p。 *高野ムツオ主宰「小熊座」による師匠の佐藤鬼房の鑑賞頁。「混沌と生き痩畑を耕せり」を鑑賞した。

童子7月号を読む 中七にオノマトペ  (俳誌「童子」)

■「童子」32-9,2018.9.1、19p。 ■辻桃子主宰「童子」7月号掲載の句群評。

ブックエリア 花谷清句集『球殻』 草城のトーン  (協会俳誌「現代俳句」)

■「現代俳句」623号、2018.9.1、56p。 ■花谷清氏句集『球殻』の書評。花谷氏が師系の日野草城及び「青玄」の「トーン」に近い句業であることなどを述べた。

句集跋文

■青磁社、2018.8.30、pp.150-155。 ■句集の跋文。

童子6月号を読む 臨場感の醸成  (俳誌「童子」)

■「童子」32-8,2018.8.1、19p。 ■辻桃子主宰「童子」6月号掲載の句群評。

尾池和夫句集『瓢鮎図』評 土佐から読む  (結社誌「氷室」)

■「氷室」26-8、2018.8.1、pp.23-24。 ■尾池和夫氏の句集『瓢鮎図』の評。尾池氏の出身である高知を軸に評した。

童子5月号を読む 辻桃子の食の句から  (俳誌「童子」)

■「童子」32-7,2018.7.1、19p。 ■辻桃子主宰「童子」5月号掲載の句群評。

長谷川櫂『俳句の誕生』書評 空転の現在、空白の時空   (「俳句」)

■「俳句」67-7、2018.6.25、pp.233。 ■長谷川櫂氏『俳句の誕生』の紹介及び書評。

人と作品 福田若之『自生地』  (総合俳誌「俳句四季」)

*「俳句四季」487号、2018.2.1、pp.24-25。 *福田若之氏の第一句集『自生地』の評論。昭和期の青年句集『誕生』(鷹羽狩行氏、昭和40年)等と異なり、平成期の青年句集はもはや成長や大人への階梯を軸に句集を編めず、それでもなお「僕」が成り立つ営為…

素十の写生と薩摩自顕流  (総合俳誌「俳句」)

■「俳句」67-2号、2018.1.25、pp.94-97。 ■高野素十特集への寄稿。素十の「写生」には、薩摩藩の薬丸自顕流を髣髴とさせるう潔さと膂力の強さがあったとして、小林秀雄『近代絵画』のセザンヌ論も参照しつつ素十の「写生」の強さを述べた。

大特集・100人が読む金子兜太 前編   (「俳句四季」)

■「俳句四季」34-11、2015.10.25、p.47。 ■「大特集・100人が読む金子兜太 前編」に寄稿。金子兜太の代表句を一句挙げ、論評する内容で、「青年鹿を愛せり嵐の斜面にて」を挙げた。

鑑賞力を鍛える 読みの分かれる名句 (総合俳誌「俳句界」)

*「俳句界」255、23-10、2017.10.1、p.80。 *関悦史氏の句「人類に空爆のある雑煮かな」の対照的な読解を示しつつ、それが両立したまま平成時代の気分を表していることを論じた。

火花よりも柿の葉寿司を開きたし 西村麒麟「思ひ出帳」評

■BLOG俳句新空間、2017.8.4。 ■サイト「BLOG俳句新空間」による「西村麒麟の北斗賞受賞作「思ひ出帳」を読む」シリーズの第八回目担当。西村麒麟氏の「俳句」性がどの点にあるか、その特徴などを述べた。 全文はリンク先を参照 → http://bit.ly/2x1h8ij

色褪せない放哉 『尾崎放哉 つぶやきが詩になるとき』書評  (総合俳誌「俳句」)

■「俳句」66巻7号、2017.7.1、p.265。 ■『尾崎放哉 つぶやきが詩になるとき』(河出書房新社、2016.12)の書評。

関悦史『俳句という他界』書評  (総合詩誌「現代詩手帖」)

■「現代詩手帖」60-7、2017.7.1、131p。 ■俳人関悦史の評論集『俳句という他界』(邑書林)の書評。

「天狼」創刊と、焚火のひとひら   (俳誌「ぽち袋」)

■「ぽち袋」23、2017.5.15、pp.26-29。 ■太平洋戦争敗戦後、山口誓子を中心に創刊した「天狼」初期の熱気と昂ぶりと、紅一点といえる橋本多佳子の句作の打ち込み方の凄まじさを「寒月に焚火ひとひらづゝのぼる 多佳子」に認めつつ、戦後の女性俳人の一つのあ…

山口誓子と新興俳句について   (俳誌「ぽち袋」)

■「ぽち袋」21、2017.3.15、pp.26-29。 ■戦前の山口誓子がいかに新興俳句に大きな影響を与えたかを述べた。誓子句の表現をほぼなぞったような句が新興俳句に多々存在し、その例として「スケート」「汽罐車」等で実際に検証しつつ論じた。

金子兜太『いま、兜太は』書評  (「週刊読書人」)

■「週刊読書人」3178号、2017.2.24、5面。 ■金子兜太著、青木健編『いま、兜太は』(岩波書店、2016)の書評。戦後俳句史で最も著名な反逆児にして、「社会性俳句」の旗手だった金子兜太が「いま」いかなる存在かを様々な角度から照らした本書を紹介しつつ、…

山口誓子『黄旗』の凄みとその影響   (俳誌「ぽち袋」)

■「ぽち袋」19、2017.1.15、pp.30-33。 ■山口誓子の第二句集『黄旗』(1935)は、中国大陸の満州風物を詠んだ書き下ろし句群が収録されたので当時話題になった句集である。『黄旗』が新興俳句に与えた影響は極めて大きく、その一例として「京大俳句」「馬酔…

「円虹」回顧 ――胸奥の覚悟  (俳句結社誌「円虹」)

■「円虹」264、2016.12.1、pp.14-17。 ■神戸の俳句結社「円虹」(山田弘子―佳乃主宰、「ホトトギス」系)の一年を振り返る内容。

帰郷とたましひ 飯田蛇笏『山廬集』評   (俳誌「秋草」)

■俳誌「秋草」(山口昭男主宰)7-12、2016.12.1、pp.6-7。 ■飯田蛇笏『山廬集』を繙きつつ、蛇笏句をまとめて鑑賞する際には「わらんべの溺るゝばかり初湯かな」等の名句もさることながら、「人間個人を寄せつけない、自然と歴史の恐るべき無音の速度」が詠…

名古屋と「写生」、そして俳句  (結社誌「円座」)

*「円座」35,2016.12.1、pp.12-13。 *「円座」創刊五周年記念シンポジウムに参加した際の体験記。名古屋の文化を体験することと「写生」の機微を綴った。

to the happy few -- 吉田竜宇についてのいくつか  (サイト「曽呂利亭雑記」)

*サイト「曽呂利亭雑記」、2016.9.30。 *吉田竜宇(歌人、1987-)についてのエッセイ。Twitterでの出会いや句会「破の会」へ勧誘したこと、また竹中宏氏や岩城久治氏、彌榮浩樹氏らと同様「選ばれた少数派」であることなどを綴った。 リンク先は→ http://b…