山口誓子『黄旗』の凄みとその影響   (俳誌「ぽち袋」)

「ぽち袋」19、2017.1.15、pp.30-33。
山口誓子の第二句集『黄旗』(1935)は、中国大陸の満州風物を詠んだ書き下ろし句群が収録されたので当時話題になった句集である。『黄旗』が新興俳句に与えた影響は極めて大きく、その一例として「京大俳句」「馬酔木」所属の桂樟蹊子が満州に官吏として赴任した際、『黄旗』収録句群を便りに満州の広大な風物を十七音に詠もうと苦闘したことを述べることで、誓子句群の影響力の大きさを検証した。