その眼、俳人につき  (邑書林)

 

邑書林、2013.09.30。
俳句評論集。明治〜平成の四代に渡る俳人群像の評論。
 


収録内容は下記の通り。
【総論】
 十本の指、漂う手袋 ―小説の描写と俳句について― 
【近代俳句】
 その眼、「写生」につき ―近代俳句を一望する―
 うつろいの消滅
 芭蕉、俳人の誇り
【明治】
 正岡子規
 ・喪失と決意  ―俳人子規の柔らかさ―
 ・愛と執着、または起風器 ―碧梧桐・虚子から見た子規―
 ・人造の小天地、「写生」
 ・月並宗匠への強い私憤、そして明治の精神
 ・焦りと祈り ―「ほとゝぎす」東京移転時の子規―
 ・追いつめられた者のあがき ―子規とパンク・ロックについて―
 俳諧宗匠
 ・日々暮らすこと、たとえば月並宗匠の書について
 其角堂永機
 ・江戸の残照
 三森幹雄
 ・俳諧宗匠、春秋庵幹雄 ―多くの俳人の先祖として―
【大正】
 飯田蛇笏 詩にすがる念力
 高浜虚子Ⅰ論と実作の奇妙な結婚
【昭和】
 高浜虚子Ⅱ
 ・空前絶後の雑詠欄、「ホトトギス」昭和二年九月号
 ・「写生」俳句の金字塔、「句日記」
 ・バナナと「偶然」
 ・保田与重郎と昭和十九年の夏暖簾
 星野立子  素直であること ―王位継承者としての立子について―
 高野素十  素焼の「おツかなさ」 ―句集『初鴉』について―
 原 石鼎  天才が見た「濃き影」
 前田普羅  流浪の旅人
 藤後左右  素人が見せた最高の無手勝流
 川端茅舎  日常を魔法のように変貌させる「ごとく」
 昭和俳壇  昭和三年の俳壇番付
 中村汀女  夏の涼しさ
 中村草田男 ひそかなる「蚊」と後悔
 山口誓子
 ・戦時中の誓子、鐵色の蠅
 ・回想の手袋
 水原秋桜子
 ・名人芸の句解
 ・昭和十七年の秋桜子、美の守護者
 高屋窓秋 「さくらの風景」と昭和の鎮魂歌
【戦後】
 日野草城、鈴木六林男 戦後をさまよう暗闇の目玉
 富安風生  風生、万籟を絶つ
 宇佐見魚目 気品ということ
 竹中 宏  草田男という「事件」に遭遇した俳人
【平成】
 井上弘美  卒業、グランドピアノに映る青空
 関 悦史  空爆と雑煮、既にそこにあった「平成」の道標
 関悦史、吉田竜宇 「平成の暴力」を講義で取り上げた時のこと