2004-07-03 西東 三鬼:算術の少年しのび泣けり夏 俳句メモ 俳句メモ-夏 算術の少年しのび泣けり夏 三鬼 “算術の少年”、例えばそろばんの得意な少年なのか。勉強が得意という意味なのか、計算高い雰囲気もあるのだろうか。 なぜ泣いているのか、しかも…忍び泣き? これらがシュールに放置されたまま、“夏”が畳みかけてくる。 “算術の得意な少年”が泣いている点に三鬼らしいシニカルさがある。 彼は俳句を本格的に始めて約二年でこの句を作ったらしい。恐るべき才人だ。 *雑誌:『京大俳句』4-8 *年月:昭和11.8.1 *頁数:34p *備考:第一句集『旗』(三省堂、昭和15)に収録。後に句集『空港』にも再録