2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

季節と追憶66 田中裕明と「写生」再評価の時代 (俳誌「氷室」)

*「氷室」32-7、2024.7.1、pp.20-21。 *戦後俳句史。66回目も引き続き田中裕明に着目しつつ、1970-80年代の「写生」再評価の気運と彼の俳句観が共鳴していたことなどを論じた。

現代俳句史(9)平成俳句と日本回帰の風潮  (俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」318号、7・8月合併号、2024.7.1、pp.20-21。 *戦後以降の俳句史についての評論。1990年代の俳句界の状況を小林よしのり『ゴーマニズム宣言』のヒット等を参照しながら論じた。

見て習い、「勘」を会得する 師弟の「わざ」の継承について (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」336、2024.7.1、pp.64-67 。 *特集「師へ送る手紙」の巻頭論考。法隆寺の宮大工棟梁だった西岡常一に師事した小川三夫の『木のいのち木のこころ』を参照しつつ、俳句の師弟関係に中世以来の職人や家元制度の面影が流れこんでいることや、「勘」…

逸話のさざめき、句の面影52 富田木歩 (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」336、2024.7.1、pp.122-125 。 *物故俳人の評伝エッセイ。52回目は富田木歩。俳句界の石川啄木と称えられた木歩の特異な境涯を綴りつつ、その貧しさや足の不自由な境遇にも向学心と明るさを失わなかった俳人木歩の姿を描いた。

虚子、七〇年代に再発見される 伝統と最先端の巨匠として (総合誌「俳壇」)

*「俳壇」41-8、2024.7.1、pp.86-87 。 *高浜虚子生誕百五十周年記念特集の寄稿。戦後、虚子は伝統俳句の巨匠として批判される傾向にあったが、1970年代以降に急激に評価されるようになり、それは戦後的な「人間」を評価としないポスト・モダンが到来しつ…