■NHKラジオ第2放送、2017.6.15、20:30-21:00。再放送は6.22、AM10:00-10:30。
■NHKカルチャーラジオ「文学の世界」シリーズ、「俳句の変革者たち 正岡子規から俳句甲子園まで」の第11回目放送。
1945-1970年代と、1980年代-現在の違いを「野暮・苦しさ/洗練・楽しさ」と腑分けし、「野暮」の象徴を加藤楸邨、「楽しさ」の象徴を辻桃子『俳句って、たのしい』と見立てた上で、「猫が来て人間仰ぐ枯木山 楸邨」と「ケンタッキーのをじさんと春惜しみけり 桃子」を紹介した。
その上で、1980年代以降はうまくならなくていい、ものになりさえすればよい」と信じた楸邨的な俳句観が消滅しつつあり、俳句表現の蓄積に上に技巧と洗練、分かりやすさと明快な内容が是とされた時代であること、その最たる例の一つとして俳句甲子園を挙げた。
同時に、俳句甲子園には紛れもない才能を有する人材も時に現れることを指摘し、「蓮の花みどりの池に浮いてゐる (灘高校の作品)」「ほうれん草抱え月夜のバスを待つ 宮崎玲奈」等を紹介。