2021-01-01から1年間の記事一覧

波止浜の石蕗の花  (俳誌「円座」)

*「円座」63、2021.8.1、pp.40-41。 *愛媛県の波止浜に昭和20年に疎開した俳人の今井つる女について述べた。つる女は夫が波止浜出身の今井五郎であり、その縁で昭和20年に東京から疎開し、10年間、今井五郎の実家で暮らしている。つる女が波止浜で過ごした…

逸話のさざめき、句の面影20 富澤赤黄男 (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」301、2021.8.1、pp.156-159。 *物故俳人の評伝エッセイ。20回目は富澤赤黄男。佐田岬の川之石町出身の赤黄男の戦争末期あたりまでの人生を同じ佐田岬の九町出身の坪内稔典氏と交錯させるような形で綴りつつ、彼がいかにして俳人として生きるよ…

日浦の川施餓鬼―江崎主宰「盆の川」句群とともに― (俳誌「櫟」)

*「櫟」29-8、2021.8.1、pp.38-39。 *「櫟」の江崎紀和子主宰が「俳壇」2019年8月に発表した「盆の川」の句群を軸に、句の舞台となった奥道後の日浦地区に伝わる川施餓鬼の由来や伝承などをまとめつつ江崎主宰の句の魅力などを伝えた。 日浦の川施餓鬼は大…

季節と追憶32 東雲公園の句碑 (俳誌「氷室」)

*「氷室」29-8、2021.8.1、pp.16-17。 *四季それぞれの季節感に沿った文学についての連載エッセイ。32回目は「東雲公園の句碑」。中村草田男は生前、自句の句碑をほぼ認めなかったが、松山市の東雲公園は例外的に彼が認めた句碑で、「夕桜城の石崖裾濃なる…

会話形式でわかる近代俳句史超入門65 富澤赤黄男2(俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」284号、2021.8.1、pp.16-17。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。65回は富澤赤黄男の後半生の経歴を中心に語り合った。

時のうつろい、句の響き19 銅山川の深川正一郎 (俳誌「子規新報」)

*「子規新報」2-85、2021.7.20、16p。 *愛媛ゆかりの俳句や文化を綴るエッセイ。連載19回目は川之江出身の俳人、深川正一郎を紹介しつつ、銅山川や川之江の風情を綴った。

句の手触り、俳人の響き24 坪内稔典 (総合俳誌「俳句四季」)

*「俳句四季」38-8、2021.7.20、pp.24-25。 *現存俳人の評伝エッセイで、第24回目は坪内稔典氏を紹介。坪内氏の愛媛県佐田岬の九町は南予地方に属しており、南予出身者の実業家や文学者には破天荒な力を持ち、それぞれ進んだ分野で先鋭的な表現や事業を成…

愛媛俳句・文学講座02 玉川町の屋敷、離れの二階 高浜虚子と今井つる女 (愛媛県文化振興財団文化講座)

*愛媛県県民文化会館本館3階、第5・7会議室、2020.7.16、13:30-15:00。 *文化講座「愛媛俳句・文学講座」第2回目。松山藩士の池内一族である高浜虚子と姪の今井つる女が住んだ松山市玉川町の屋敷の様子を語るとともに、明治維新後の池内一族の消長や虚子、…

【エッセイ】趣味と写真と、ときどき俳句と13-4 松山藩松平定行公と東野、高浜虚子や今井つる女が訪れた茶屋について4

*初出:サイト「セクト・ポクリット」、2021.7.14。 *趣味や大学の授業、俳句その他の随筆。13回目分は分割して連載。松平家の松山藩初代、定行公は愛媛のご当地タルトをもたらした藩主としても知られ、また隠居後は松山の東野に茶屋を設け、晩年を過ごし…

【エッセイ】趣味と写真と、ときどき俳句と13-3 松山藩松平定行公と東野、高浜虚子や今井つる女が訪れた茶屋について3

*サイト「セクト・ポクリット」、2021.7.12。 *趣味や大学の授業、俳句その他の随筆。13回目分は分割して連載。松平家の松山藩初代、定行公は愛媛のご当地タルトをもたらした藩主としても知られ、また隠居後は松山の東野に茶屋を設け、晩年を過ごした。後…

俳句そのものを読むということ 『と』を中心に  (「日本文学」)

*「日本文学」70-7、2021.7.10、pp.36-40。 *有季定型という特殊な詩形の俳句作品をいかに読むかという一例として、「と」を用いた作品を実際に読解した。

日本現代文化における「空」の表象  (ドイツ、日本語で話す会)

*オンライン講座、2021.7.10、21:00-22:40。 *ドイツの日本語愛好者による「日本語で話す会」での講演。近現代俳句やアニメで「空」が印象的に描かれる場面の分析を通じて、作品における「空」の表象のあり方を述べた。

趣味と写真と、ときどき俳句と13-2 松山藩松平定行公と東野、高浜虚子や今井つる女が訪れた茶屋について2

*初出:サイト「セクト・ポクリット」、2021.7.8。 *趣味や大学の授業、俳句その他の随筆。13回目分は分割して連載。松平家の松山藩初代、定行公は愛媛のご当地タルトをもたらした藩主としても知られ、また隠居後は松山の東野に茶屋を設け、晩年を過ごした…

【エッセイ】趣味と写真と、ときどき俳句と13-1 松山藩松平定行公と東野、高浜虚子や今井つる女が訪れた茶屋について1

*初出:サイト「セクト・ポクリット」、2021.7.6。 *13回目は分割連載。松平家の松山藩初代、定行公は愛媛のご当地タルトをもたらした藩主としても知られ、また隠居後は松山の東野に茶屋を設け、晩年を過ごした。後年、その東野に高浜虚子や今井つる女が関…

マンガにおける日本の学校風景の描写について (ドイツ、デュッセルドルフ大学)

*デュッセルドルフ大学、2021.7.5、16:30-18:30。 *ドイツのデュッセルドルフ大学の日本学(教育学)研究者、小林亜未先生の授業枠での授業。日本のマンガで「学校」の各場所がどのように描かれ、またどのような位相で捉えられているか等を紹介した後、学…

これまでの会の質問について (ミュンヘン、アウグスブルク句会)

*ミュンヘン句会、アウグスブルク句会、2021.7.4。 *ドイツのミュンヘン句会・アウグスブルク句会合同主催講演。ドイツ語俳句を創作されている方々を対象とした講演で、村戸裕子氏の通訳とともに行った。内容は、これまで複数行った講演内容についての質問…

俳句史講座2 芭蕉と蕉門の世界、「猿蓑」から「炭俵」へ (愛媛県文化振興財団文化講座)

*オンライン講座、2021.6.18、13:30-14:50。 *Zoomによる文化講座。第2回は芭蕉。芭蕉及び蕉門の歌仙(連句)の特徴などを中心に、「猿蓑」や「炭俵」収録作品の魅力などを語った。

城川町の実盛送り (俳誌「櫟」)

*「櫟」29-7、2021.7.1、pp. 38-39。 *「櫟」の江崎紀和子主宰が「俳壇」2019年7月号に発表した「虫送り」の句群を軸に、句の舞台となった西予市城川町の魚成地区の虫送りである「実盛送り」と御霊信仰についてまとめつつ、江崎主宰の句群の魅力などを綴っ…

会話形式でわかる近代俳句史超入門64 富澤赤黄男1(俳誌「100年俳句計画」)

*「100年俳句計画」283号、2021.7.1、pp.16-17。 *「青木先生×俳子」の会話形式による近代俳句史。64回は富澤赤黄男の前半生の経歴を中心に語り合った。

季節と追憶31 山の句碑と渦潮の海 (俳誌「氷室」)

*「氷室」29-7、2021.7.1、pp.16-17。 *四季それぞれの季節感に沿った文学についての連載エッセイ。31回目は「山の句碑と渦潮の海」。高浜虚子一行は愛媛県波止浜公園に幾度か立ち寄り、句会を行い、公園内の旅館に宿泊したという経緯があるため、現在の波…

逸話のさざめき、句の面影19 深川正一郎 (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」300、2021.7.1、pp.140-143。 *物故俳人の評伝エッセイ。19回目は深川正一郎。愛媛県の新宮上山村(現・四国中央市)に生まれ、川之江で育った正一郎の生涯を綴った。父母や祖父母を若くして亡くしたこと、また東京で暮らすも晩年につれて郷土…

概観2020年 俳句  (「文藝年鑑」)

*「文藝年鑑2021」、2021.6.30、pp.25-27。 *2020年に顕著だった俳句動向を中心にしながら、句集や研究双方の著作を紹介した。

切ないまでの輝き  (『種田山頭火全集』月報)

*春陽堂書店版『山頭火全集四巻 日記(2)』月報、2021.6.30、pp. 4-6。 *全集四巻月報に寄せたエッセイ。同巻収録の「其中日記」を参照しつつ、「白茅」で発表した「山頭火と女生徒」を増補改稿してまとめた。

愛媛俳句・文学講座01 愛媛ゆかりの文学や文化を楽しむことについて (愛媛県文化振興財団文化講座)

*愛媛県県民文化会館本館3階、第5・7会議室、2020.6.25、13:30-15:00。 *文化講座「愛媛俳句・文学講座」第1回目。愛媛各地ゆかりの文学や映像作品などを具体的に例にしながら、土地のゆかりの文学を味わい、その土地で楽しむことの意義や楽しみ方などを語…

【エッセイ】趣味と写真と、ときどき俳句と12 愛媛のご当地菓子

*初出:サイト「セクト・ポクリット」、2021.6. 21。 *趣味や大学の授業、俳句その他の随筆。12回目は愛媛のご当地菓子を紹介した。タルトがなぜ愛媛は独特なのか、また同じタルトでも松山と八幡浜や佐田岬、南予地方では餡が異なる傾向にあること、また南…

句の手触り、俳人の響き23 岡田真巳 (総合俳誌「俳句四季」)

*「俳句四季」38-7、2021.6.20、pp.68-69。 *現存俳人の評伝エッセイで、第23回目は岡田真巳氏を紹介。愛媛県大洲市出身の岡田氏が俳句が趣味だった祖母の影響で句作を始め、高校に文芸部等がなかったため俳句甲子園に参加はしなかったが、今も句作を続け…

「桜」と無常について  (ドイツ、日本語で話す会)

*オンライン講座、2021.6.19、21:00-21:30。 *ドイツの日本語愛好者による「日本語で話す会」での講演。日本の古典や現代文学、ポップカルチャーが描いてきた「桜」の表現と、仏教に由来する「無常」との共通点について語った。

俳句史講座1 連歌 (愛媛県文化振興財団文化講座)

*オンライン講座、2021.6.18、13:30-14:50。 *Zoomによる文化講座。第1回は連歌。室町期から江戸期にかけて流行した連歌の特徴や魅力を、「水無瀬三吟」「湯山三吟」等を例にしながら語り、近代以降の俳句観と異なることなどを語った。

笛と空、湯豆腐のうすあかり 図らずも滲み出た自画像句  (総合誌「俳壇」)

*「俳壇」38-6、2021.6.1、pp. 46-49。 *特集「自画像としての俳句」巻頭総論。明確に意識した自画像としての句よりも、図らずも作者の佇まいが滲み出た句の例として、西東三鬼や杉田久女、松本たかし、久保田万太郎の句などを取り上げつつ、作品から浮か…

逸話のさざめき、句の面影18 戦後の人々 (総合誌「俳句界」)

*「俳句界」299、2021.6.1、pp.168-171。 *物故俳人の評伝エッセイ。18回目は市井俳人の句とともに、昭和戦後生活の急激な変化や郷愁について綴った。