夜闇の蛍と雪の深さ、そして万緑の手触り 国語教育現場における俳句読解の傾向について  (学術誌「昭和文学研究」)

「昭和文学研究」85集、2022.9.1、pp.108-131。
国語教育現場における俳句読解や創作の授業は、授業実践や展開、教授法や指導要領との関連性如何にかかわらず、いずれも一行詩に近い読解が行われる傾向にあり、有季定型という特徴を有する俳句作品の読解が等閑視される傾向にあることを、次の句などを例に論じた。具体的には、「じやんけんで負けて蛍に生まれたの 池田澄子」「いくたびも雪の深さをたずねけり 正岡子規」「万緑の中や吾子の歯生え初る 中村草田男」等の句を参照した。