2017-08-01から1日間の記事一覧

この本 この一句  (総合誌「俳句界」)

■「俳句界」23-8、2017.8.1、pp.204。 ■石渡旬氏の句集『蒿雀籠』の一句評。 団栗の両手に余る昔かな 掲句を、本句集に収められた「薬狩むかしひ弱な子でありし」と比較してみよう。「薬狩」句の方は、かつて幼少時は「ひ弱」な身体だったが、それでも年を重…

俳句の読み方、詠ませ方―教科書採録作品も交えつつ―  (俳人協会関西支部、夏季講座)

■俳人協会関西支部主催・第36回関西夏季俳句指導講座。於エルおおさか、2017.8.1、15:15-16:35。 ■俳句をいかに読み、また学校教育でいかに詠ませるかといった内容で、学校教員向けの講演を行った。「万緑の中や吾子の歯生えそむる 中村草田男」「せきをして…

刻まれた句、漂う夢 戦後俳句史1 生きている証と、八〇年代  (俳誌「円座」39号)

■「円座」39号、2017.8.1、pp.54-61。 ■戦後俳句史論の一回目。1980年代の雰囲気を伝えるものとして、生きている証として苦労を重ねて一生懸命俳句にすがろうとした大正期生まれの菖蒲あやと、俳句のために我慢や結社での下積みを是とする風潮を「大嫌い」と…