*「週刊読書人」3219号、2017.12.15、2面。
*各人が2017年刊行書籍から三冊を選ぶ特集記事。下記は本文。
*田島健一『ただならぬぽ』(ふらんす堂)。
ジジェクを愛読し、加藤楸邨の系譜を受け継ぐ俳人の第一句集。「西日暮里から稲妻見えている健康」「ひとみごくうの瞳のうごく花野かな」等、そして句集名の「ただならぬ海月ぽ光追い抜くぽ」。意味と物語を脱臼させる手管が充実している。
*関悦史『花咲く機械状独身者たちの活造り』(港の人)。
「人類に空爆のある雑煮かな」等で知られる俳人の第二句集。「伊勢海老の頭部の歩く日本かな」「シャワー後のTシャツも借り友と眠る」「戦場の洗濯は重し少女みな脱腸」等を収録。震災、BL、諸芸術等の文脈が俳句的写生の力強さによって昇華されている。
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