俳句と、周りの景色15 汗と平成  (俳誌「白茅」15号)

「白茅」15号、2017.3.30、pp.15-17。
昭和と平成の差異を「汗」の描写に見た評論。具体的には、戦後の労働者の俳句や安保闘争の時代には「汗」がしたたる場面が数多く現れ、開高健『日本三文オペラ』等も参照しつつ「汗」が下層階級の生きる証であった時代から、高度経済成長を遂げた1980年代以降は「汗」が激減しており、その象徴を田中康夫『なんとなく、クリスタル』や角川書店「俳句」掲載の句などに求めつつ、消毒された清潔な中流意識に彩られた平成期の俳句のありようをスケッチした。