竹中 宏 : うつしよの糠蚊は水にいつ触れる

 

う つ し よ の 糠 蚊 は 水 に い つ 触 れ る    竹中 宏 

 
 “うつしよの”が絶妙。このように謳うことで“うつしよ”でない世界がゆらめきはじめ、“水”と響きあうところも巧妙である。
 作者の竹中宏(1940-)は、有季定型でしかなしえない"俳句"の魅力を捉えようとした、昭和〜平成期最高の俳人の一人。俳壇ではさほど知られていないが、その力量たるや群を抜いている。

  
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出典:「翔臨」69号
年月:2010.10.31
頁数:10p
備考:タイトル「ひたぶる」中の一句。
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