喪失と決意――俳人子規の柔らかさ  (子規記念博物館紀要「子規博だより」)

  
「子規博だより」29-1、2010.6.25、pp.9-11。「子規博だより」は松山市子規記念博物館発行の紀要。
正岡子規は「俳句革新」と称される数々の俳論を発表し、俳人の革命児として知られている。しかし、彼は当初から俳人として世に立とうとしたわけではなく、数々の挫折と失意を経た後に俳人たらざるを得ない人生を送ったことは、さほど知られていない。これらを子規の俳論から検討しつつ、俳人子規は常に挫折感や悲壮感と背中合わせの側面があったことを考察した。