山口 誓子:地下鉄の奈落の響き毛糸編む

地 下 鉄 の 奈 落 の 響 き 毛 糸 編 む  誓 子

 季語は「毛糸編む」(冬)。"奈落"の"響き"がポイントであると同時に、「地下鉄の奈落の響き」が「毛糸編む」と取り合わされた時、"響き"と"毛糸編む"が一気に絡みあい、奥行きが増すところが絶妙。
 昭和29年の誓子は、未だ俳人を震撼させる句を量産し続けていた。


雑誌:「俳句」3-2
年月:昭和29.2.1
頁数:13p
備考:総タイトル「大阪」中の一句。