2011-01-01から1年間の記事一覧

有季定型と「写生」は結婚しうるか ――彌榮浩樹氏俳論「1%の俳句」を読む――(1)  (サイト「週刊俳句」) 

■インターネットサイト「週刊俳句」217号、2011.6.19。 ■第54回(2011年)群像新人文学賞評論部門を受賞した彌榮浩樹氏(俳句結社「銀化」所属、俳句実作者)の「1%の俳句 ――一挙性・露呈性・写生」レビューの一回目。長文のため、計三回に分載した。 「週…

あの頃、俳句は30 梅雨の黴と美しさ (俳誌「円虹」)

*「円虹」198号、2011.6.1、pp.10-11。 *往時の俳句雑誌を繙く連載評論。30回目は「黴」の句を通じて梅雨の過ごし方などを綴った。

明治の蕪村調、その実態―俳人漱石の可能性について―  (学術誌「日本近代文学」)

■「日本近代文学」84集、2011.5.15、pp.1-15。 ■小説家になる以前、夏目漱石は俳人として知られたが、その実態はさほど研究されなかった。たとえば、俳人漱石と蕪村の関係は、これまでは次のようにまとめられることが多い。 ・漱石が句作を始めた頃は、子規…

ことばの花束  (エフエムいたみ)

■エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2011.5.9-13、AM10:50-11:00、15:50-16:00。 ■ラジオ放送。各回ごとに俳人と代表句などを紹介。詳細は、短冊の見方(5/9、月)、花の本聴秋(5/10、火)、鈴木六林男(5/11、水)、「手」を詠んだ句(5/12、木)、…

あの頃、俳句は29 月並の魅力 (俳誌「円虹」)

*「円虹」197号、2011.5.1、pp.10-11。 *往時の俳句雑誌を繙く連載評論。29回目は明治期の「月並」とされた俳諧宗匠たちの句の魅力について述べた。

子規から虚子へ (伊丹市柿衞文庫)

*2011.4.23、伊丹市柿衞文庫、春季特別展「寄贈コレクションによる俳句のあゆみⅠ 子規・青々・月斗・虚子・青畝」(4/16〜6/5)にあわせての講演。 *「子規から虚子へ」と題し、近代俳句の肉筆もの(短冊・軸・色紙等)の見方を述べた。具体的には、近代俳…

ことばの花束  (エフエムいたみ)

■エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2011.4.4-8、AM10:50-11:00、15:50-16:00。 ■ラジオ放送。各回ごとに俳人と代表句などを紹介。詳細は戦時中の石田波郷(月)、戦時中の富安風生(火)、柿衞文庫展覧会「子規・青々・月斗・虚子・青畝」について(…

あの頃、俳句は28 素十の「写生」 (俳誌「円虹」)

*「円虹」196号、2011.4.1、pp.10-11。 *往時の俳句雑誌を繙く連載評論。28回目は高野素十の「方丈の大庇より春の蝶」における「写生」について述べた。

三森幹雄の「写生」批判  (研究会紀要「俳文学研究」)

■「俳文学研究」55号、2011.3.25、4-5p。 ■江戸俳諧と近代俳句の価値観の差異を、三森幹雄(旧派宗匠)と正岡子規の論を通じて考察した。

『村上春樹と小説の現在』  (日本近代文学会関西支部編、和泉書院)

村上春樹と小説の現在作者: 日本近代文学会関西支部編出版社/メーカー: 和泉書院発売日: 2011/03/22メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る ■掲載論文:「「羊男」の描写と「歴史」の現前について」(128-139p) ■…

聖なる病床 長谷川櫂『子規の宇宙』書評 (総合俳誌「俳句研究」78-2)

*「俳句研究」春号、78-2号、2011.3.15、347p。 *長谷川櫂著『子規の宇宙』(角川学芸出版、2010.10)の書評。

批評家たちの「写生」(四) 保田與重郎 その四 (俳誌「翔臨」70)

*「翔臨」2011.3.10、pp.6-7。 *文芸批評家の論から「写生」を捉え直す連載評論。保田與重郎の評論を参照しつつ、古典和歌以来の季節感と近代以降の俳句の季節感が異なることを指摘しつつ、正岡子規の「写生」の特質を考察した。

あの頃、俳句は27 宇佐美魚目の気品 (俳誌「円虹」)

*「円虹」195号、2011.3.1、pp.10-11。 *往時の俳句雑誌を繙く連載評論。27回目は「俳句」昭和49年月号掲載の宇佐美魚目作品にうかがえる気品について述べた。

昭和初期「ホトトギス」雑詠欄の魅力など(3) (「円虹」全国大会)

*「円虹」195、2011.3.1、pp.13-17。 *2010年10月17日の「円虹」全国大会(於鳥取県湯梨浜町、水明荘)の講演。分量が多いため、三ヶ月にわたり掲載した。最終回は山田弘子先生の句の魅力を語った。

ことばの花束  (エフエムいたみ)

■エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2011.2.28-3.4、AM10:50-11:00、15:50-16:00。 ■ラジオ放送。各回ごとに俳人と代表句などを紹介。詳細は江戸俳諧の冬/春の季重なり(月)、明治俳諧の冬/春の季重なり(火)、佐藤文香(水)、高屋窓秋(木)、…

あの頃、俳句は26 海への木枯、1944 (俳誌「円虹」)

*「円虹」194号、2011.2.1、pp.10-11。 *往時の俳句雑誌を繙く連載評論。26回目は山口誓子「海に出て木枯帰るところなし」について当時の資料とともに述べた。

昭和初期「ホトトギス」雑詠欄の魅力など(2) (「円虹」全国大会)

*「円虹」194、2011.2.1、pp.20-24。 *2010年10月17日の「円虹」全国大会(於鳥取県湯梨浜町、水明荘)の講演録。分量が多いため、三ヶ月にわたり掲載した。

俳諧いまむかし(五十) 二月 正岡子規とジョニー・ロットン (俳誌「氷室」)

*「氷室」19-2、2011.2.1、pp.40-41。 *俳句に関するエッセイ。50回目は正岡子規のありようにセックス・ピストルズのジョニーロットンの姿を重ね、追いつめられた者のあがきと切実さを描いた。この50回目をもって「氷室」連載は終了した。 なお、本稿は改…

ことばの花束  (エフエムいたみ)

■エフエムいたみ(伊丹・北摂・神戸周辺)、2011.1.31-2.4、AM10:50-11:00、15:50-16:00。 ■ラジオ放送。各回ごとに俳人と代表句などを紹介。詳細は、山口誓子(月)、三橋敏雄(火)、関悦史(水)、「ホトトギス」雑詠選集・傑作(木)、「ホトトギス」雑…

明治の椿はいかに落ちたか――俳句「赤い椿白い椿と落ちにけり」を読む――  (学術誌「日本文学」)

*「日本文学」60-1、2011.1.10、pp.78-82。 *河東碧梧桐の「赤い椿白い椿と落ちにけり」は、正岡子規によって「印象明瞭」と賞賛され、後に「写生」句の典型と見なされた。その特色は「ありのままを描く、(略)その淡々たるところ」(村山古郷)にある、…

あの頃、俳句は25 スケート、1942 (俳誌「円虹」)

*「円虹」193号、2011.1.1、pp.10-11。 *往時の俳句雑誌を繙く連載評論。25回目は山口誓子の「スケート」連作の特徴や魅力を、当時の「スケート」句の詠みぶりと比較しつつ述べた。

昭和初期「ホトトギス」雑詠欄の魅力など(1) (「円虹」)

*「円虹」193、2011.1.1、pp.22-25。 *2010年10月17日の「円虹」全国大会(於鳥取県湯梨浜町、水明荘)の講演録。分量が多いため、三ヶ月にわたり掲載した。

俳諧いまむかし(四九) 一月 鑑定家 (俳誌「氷室」)

*「氷室」19-1、2011.1.1、pp.50-51。 *俳句に関するエッセイ。49回目は現俳句界の目利きの不在が何をもたらすかを綴った。