昭和の「路地」を生きた俳人、菖蒲あやについて  (「日本現代詩歌研究」13)

「日現代詩歌研究」13、2018.3.30、pp.121-139。
菖蒲あや(1924-2005、「若葉」同人、後に「春嶺」主宰)という俳人を紹介しつつ、昭和の「路地」のありようを論じた。東京下町に生まれ育った菖蒲は貧しい工場勤めの中、敗戦直後の職場俳句で句作に目覚め、女性らしさや有季定型の技巧云々と真反対の、生活そのものを詠むことを心がけた珍しい女性俳人で、その彼女の軌跡を「若葉」内の女性俳人や、当時興隆しつつあった社会性俳句等と比較しつつ論じた。