四季に生きる  (総合俳誌「俳壇」)

「俳壇」34-8、2017.7.1、pp.196-201。
特別寄稿エッセイ。四季に生きるよるべなき日本人の暮らしぶりを描いた。具体的には、梅雨と文芸の交響の中で暮らすありようを下記の作品を連ねつつスケッチしたもの。
 
・和歌「五月雨の空なつかしく匂ふかな花橘に風や吹くらむ 相模」
・俳句「黴吹いて母の小さな旅鞄 飯田龍太
小林秀雄の評論「美を求める心」
堀口大学の詩「自らに」
・俳句「あひふれしさみだれ傘の重かりし 中村汀女
・俳句「紫陽花や白より出でし浅みどり 渡辺水巴」
・短歌「傘の穴洩れて雫れる雨粒が今ゆっくりと頬つたいおり 鳥居」
・俳句「珈琲店永遠にあり秋の雨 永田耕衣
村上春樹のエッセイ「ある種のコーヒーの飲み方について」
・短歌「ふるさとの訛りなくせし友とゐてモカコーヒーはかくまで苦し 寺山修司
・短歌「やはらかに誰が喫みさしゝ珈琲ぞ紫の吐息ゆるくのぼれる 北原白秋
永井荷風の小説「歓楽」
・趙師秀の漢詩「黄梅時節家家雨/青草池塘処処蛙」
・俳句「六月の万年筆のにほひかな 千葉皓史」
・俳句「会へば又話うまるゝ涼しさよ 星野立子