Sex Pistols:London,The Screen On The Green Cinemaでのギグ(1977.4.3)

 
Sex PistolsがロンドンのThe Screen On The Green Cinemaで二度目のギグを行ったのは1977年4月3日だった。
 シド・ヴィシャスがベーシストとしてデビューしたギグともいわれるが、二回目のステージという説もある。
 個人的には、シドの初ステージかどうかはさほど興味がない。彼より前任者のグレン・マトロックの方が好きだからだ。 
 
 ピストルズは前年(1976年)11月に1st Single“Anarchy In The U.K”をリリースするなど、1976年冬〜1977年夏に集中的にレコーディングを行っていた。1977年5月には第二弾シングル“God Save The Queen”、6月にはシングル“Pretty Vacant”を、そして10月には“Holiday In The Sun”を続けてリリースしている。
 一連のレコーディングを通じ、彼らは急速に曲のスタイルを確立させていった。セッションを重ね、パート別にレコーディングを行うことで、彼らは自作を客観的に検討しつつ、よりよい形に昇華させる機会を得たのだ。
 そういう背景を踏まえてScreen On The Green Cinemaでのライヴを聴くと、各曲がほぼ完成しているのがうかがえる。同時に、できあがった曲を彼ら自身がなぞって演奏している感じがすでに醸成されているのも興味深いところだ。
 その両方を感じさせるのが“God Save The Queen”だろう。
 Screen On The Green Cinemaのギグでは、歌詞や進行が完成していることが分かるが、レコーディングでは採用されなかったギターコードの変化も少し残っている。おそらく、レコーディングされたヴァージョンの直前形と思われる。
 
 この日の演奏は映像に残っており、比較的簡単に観られるのも嬉しい。この時期のピストルズの演奏はよくまとまっており、メンバー間がいい意味で緊張感に満ちていたことがうかがえる(短い期間ではあったが)。
 1977年4月3日、彼らは“Lazy Sod”“Liar”“Pretty Vacant”“New York”“God Save The Queen”などを演奏した。個人的には“New York”“Liar”あたりがノッていて好きだ。