失われた季節感―江戸期と近代の「季重なり」について (俳人協会関西支部、夏季講座)

俳人協会関西支部主催・第三十回関西夏季俳句指導講座(於エルおおさか)、2011.8.1。
江戸期/近代における季節感の違いを述べた。具体的には、近代は季節をまたがる「季重なり」を好まず、「一句=一季語」を尊ぶ傾向にあるが、江戸期までは和歌以来の季節のうつろいやあわいを詠む「季重なり」は忌避されるものでなく、折に触れて詠まれる技法だった。
 これら両者の特徴を指摘しつつ、近代の季節感はわずか100年ほど前に確立したものであることを、中学・高校教員の方々に講演した。