芭蕉二百回忌と「芭蕉雑談」について  (研究会紀要「大阪俳文学研究会会報」)

 
研究会会報「大阪俳文学研究会会報」44号、2010.10.12、pp.22-28。
普通、明治26年(1892)は正岡子規芭蕉雑談」が発表され、俳句革新が本格的に始動した年として知られる。しかし、当時の俳句界的には芭蕉二百年忌(没後二百年の遠忌)の方が大きな現象であり、子規「芭蕉雑談」は二百年忌に対する時事論としての性格が強いことを指摘した。そして、明治26年は江戸期以来の芭蕉遠忌が全国的に催された年と同時に、それが「文学(literature)」を希求する「芭蕉雑談」を出現させたところに意義があることを考察した。