現代に虚子を召喚する 『虚子は戦後俳句をどう読んだか』書評  (「週刊読書人」)

「週刊読書人」3256号、2018.9.14、5面。
筑紫磐井編著『虚子は戦後俳句をどう読んだか』の書評。本書は戦後の「玉藻」で虚子と若手による研究会における虚子発言を抜粋した第二部と、実際に参加した深見けん二氏を囲む座談会の第一部等で構成。第二部の虚子発言は新興俳句系や社会性俳句といった「ホトトギス」以外の句評であり、突出した読解力を有した虚子が石田波郷や山口誓子、中村草田男や金子兜太等の句にいかなる反応を示したかがうかがえる。