三森幹雄と正岡子規の「眼」――明治俳諧における「写生」の位相  (「日本近代文学」)

  
「日本近代文学」78号、2008.5.15、pp.36-51。
正岡子規が提唱した「写生」は映像を彷彿とさせるリアリズムとされ、西洋画を参考にしたとされる。しかし、俳句自体における「写生」の意義はさほど考察されなかった。そこで、江戸期以来の言説を継承する俳諧宗匠達と子規達を比較した上で、子規のリアリズムは「事物自体を見る」のではなく、「従来の類型表現を見ないようにする」認識であり、そこに俳句における「写生」の新鮮さがあったことを考察した。